PixInsightによる彗星画像処理: 恒星だけの画像

前回、彗星だけの画像を作りました。

今度はこれを使い、恒星だけの画像を作成します。
恒星だけの画像を作成するには、元画像からこの彗星の画像を引き算してやればよいです。
ただ、スタック済みの画像から引き算してもうまくいきません。星基準のスタック画像では彗星が流れているし、彗星核基準のスタック画像では星が流れているからです。
上の彗星画像は、彗星基準で彗星を固定した画像で、彗星の位置が合っていますから、
1. 彗星核基準で整列した画像から、彗星画像を引く 2. 1. を今度は恒星基準で整列する 3. 2. をスタックする
で、恒星基準で彗星を消した画像を作成します。
実は、1. を作成する機能を、CometAlignmentは持っています。
Subtractというオプションがそれです。

ここに彗星だけ画像を指定してやると、核基準の各画像から、彗星画像を引き算して出力してくれます。 引き算の際、背景レベルの自動調整と正規化を自動的にやってくれます。
しかし、なぜか今回の画像の場合、この処理がうまくいきませんでした。
デジカメの画像ではうまくいきましたが、冷却CCDの画像ではうまくいきません。
どうも彗星画像のレベルを大きすぎにとらえてしまうようで、彗星がうまく消えてくれないし、背景レベルがゼロにクリップされてしまいます。

なので今回は、各画像の処理を手動で行いました。
引き算処理なので、やはりPixelMathにご登場願います。
しかし、前の回で紹介したImageContainerは、今回は使えません。。
処理対象の画像をPixelMathの処理対象のピクセルとして参照出来ないからなんですが、何かやり方があるんですかね? 知ってる人がいたら是非教えて下さい。
仕方ないので、今回はひとつひとつ画像を開けてはPixelMathを適用し、保存するというヒマな処理を行いました。。まあ数が少ないのですぐ終わりますが。

手作業の恩恵として、引き算の結果、引き足りない時は彗星画像に係数をかけて調整することが出来ます(負け惜しみ)
引き算処理の結果は以下です。

彗星が合った場所が落ち込んでいますが、引き足らないよりはましで、あとでここは彗星のみ画像を足し込みますので、これでOKとします。
出来た画像を再びStarAlignmentにかけ、今度は普通にImageIntegrationします。

消えすぎなくらい彗星が消えてくれました

あとは、彗星画像を足しこんでやればOKです。

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