PixInsightによる彗星画像処理: ABEによる画像の平坦化

彗星核基準で整列した画像が出来ました。

彗星の撮影は薄明下の撮影となることも多く、サブフレーム毎に刻一刻とカブリの具合が変化するので、今回のような処理の場合は気を遣います。
そこで、合成処理に入るまえに、サブフレーム単位でカブリを補正しておこうと思います。
PixInsightでのカブリ補正は、AutomaticBackgroundExtractorというモジュールが使えます。
(どうでもいいですが、PixInsightのモジュール名って長ったらしくて、最初びびりますよね。このAutomaticBackgroundExtractorはその中でも番長クラスです。長すぎるので、通常はABEなどと略して呼びますが、これもまた最初なんのことやら分からなくて困ります)

のっけからディスりましたが、このABEは大変優秀です。
ほぼ調整なしで、カブリ補正をかなりの精度でやってくれます。
とりあえずオプション調整なしで、対象画像に対してABEを適用してみます。
対象画像を開いて、Applyをドラッグ&ドロップすると適用されます。

新しい画像が生成されますが、これが対象画像を解析して得られたカブリ画像です。
これを引き算すれば、カブリ補正された画像を得ることが出来ます。
引き算するモジュールは別にありますが、ABEの場合、引き算処理もやってくれるオプションがあります。

Target Image Correctionというオプションで、CorrectionをSubtractionとすると、カブリ画像を引き算することが出来ます。
Replace target imageにチェックすると、元画像に対して演算処理を直接施します。元の画像は破棄されます。
Replace target imageのチェックを外すと、演算結果が新しい画像として生成されます。
最初にABEの適用効果を試すときは、Replace target imageのチェックを外して、適用後の画像と適用前の画像を比較するとよいと思います。

一回の適用ではまだ補正が足らないようなので、何回か実行してみます。 この例では3回適用すると、ABEによる分析の結果、カブリ画像がほぼ平坦になりました。

この処理を全サブフレームに適用したいのですが、何度も同じ処理を手作業で加えるのはめんどくさいです。
複数の画像に同じ処理を適用するには、ImageContainerという仕組みがあります。
Processメニューの中にImageContainerというアイテムがあるので実行すると、以下のようなダイアログが出てきます。

フォルダに+の印が付いているボタンをクリックして、適用したいファイルを選択してリストに表示させます。
Output directoryに適用結果を出力するフォルダを指定します。
出来たら、Apply(左下の三角のボタン)を、PixInsightのワークスペースにドラッグ&ドロップして、インスタンスを作成します。
こうすると、ImageContainerに含まれる画像に対して、連続して処理を適用することが出来るようになります。
今回は、ABEをそれぞれ3回適用することにしました。
ABEのApplyボタンを3回、ImageContainerのインスタンスにドラッグ&ドロップしてもよいのですが、今回はこの3回の処理も自動化するために、ProcessContainerというモジュールを使います。
ProcessContainerは、ABEのような処理を複数回、対象画像に対して連続的に適用させるような時に便利なモジュールです。
まず、ABEのオプションのうち、Target Image Correctionオプションを、以下のように設定します。

Discard background modelにチェックすると、カブリの解析確認画像を作成しません。 また、Replace target imageをチェックしておきます。こうすることで、ImageContainerの中の画像に直接、演算結果を出力することが出来ます。
出来たら、ProcessContainerをProcess Explorerから起動します。

このダイアログに、先ほどのABEのApplyボタンをドラッグ&ドロップしてやると、ABEのインスタンスがProcessContainerに登録されます。
今回は3回連続して同じ処理を実行させたいので、3回ドラッグ&ドロップしてやります。

これで準備が出来たので、最初に作成しておいたImageContainerに、このProcessContainerのApplyボタンをドラッグ&ドロップしてやると、処理が開始されます。各画像にABEが3回適用されて、指定した出力フォルダに結果が出力されます。
出力結果を確認したのが以下です。

かなり平坦になりました。
カブリをとってみると、うっすら雲が通過しているのが分かりますね。
ABE処理は自動的にカブリを解析する処理なので、うまくいくこともありますが、ダメなこともあります。試した上で適用するかどうか判断するとよいでしょう。
次はいよいよ今回のハイライト、合成処理に入ります。

2 thoughts on “PixInsightによる彗星画像処理: ABEによる画像の平坦化

  • 2015-12-30 at 11:46 AM
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    カブリの処理はとても苦手なので、これは!と思って読みはじめましたが、あっという間に断念しました。。。すみません、半分以上ナナメ読みすら出来ずスクロールしてしまいました。
    どうか、日本語化して頂ければ幸いです。。。切にお願いします。

    Reply
  • 2015-12-30 at 12:46 PM
    Permalink

    SECRET: 0
    PASS:
    PixInsightの日本語化って聞いたことないですね。。やるつもりあるのかどうか。
    理論満載なヘルプファイルを邦訳するのは骨が折れそうです。
    たしかにカブリ処理、難しいですよね。
    このあたりはPixInsightのとてもズルい(^^;機能なので、これだけのために使ってるって人もいそうです。

    Reply

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