二重星団とハート星雲
こんばんは。
もう2週間前になりますが、10/18に里美牧場に遠征した時に撮ったものです。
行く前から構図はこれ、と決め、手持ちのレンズ200mm F2.8で、モザイク撮影することにしました。
使うカメラPentax K-5IIsはノーマル非改造カメラ。ハート星雲を撮るには赤の感度がいささか足りません。
そこで、ノーフィルター撮影1.5時間、Rフィルター撮影1.5時間をモザイク2枚にそれぞれおごる計画でした。
夜半から月が出てくるので、撮影対象はこの1点のみです。
実際には、ポータブル赤道儀GF50のたわみ問題でガイドエラーが生じ、高度が低かった二重星団の撮影の歩留まりが悪く、撮れたのはノーフィルター1時間、Rフィルター1.5時間といったところでした。
また、やはりたわみによる構図のずれが生じ、コンポジットの結果、IC1848が見切れそうになってしまいました。
前回投稿したような標準レンズでの撮影はともかく、200mmのようなレンズでは、もうこの赤道儀では安定して撮影出来ません。やはり、赤道儀をなんとかしなくては…。
さて、レンズはまたもやビンテージレンズのsmc Pentax A★200mm F2.8ED。
Pentaxではプレミアムレンズはスターの称号を与えられ、このレンズも往年のスターレンズですが、やはりフィルム時代のレンズ。いろいろとアラが出てまいります。
特に色収差は要注意ですが、今回は赤を別撮りにしてノーフィルター撮影時の赤フレームを思い切って捨て、別撮りの赤にすげ替えて、Debayer時に発生する色収差の不都合(オーバーシュートの黒つぶれ等)を回避、また倍率色収差の補正のために赤フレームの大きさを縮小して合成しました。
フルサイズ改造カメラ+低収差レンズなら一発で撮れるところですが、機材の不足は露出時間と根性でカバーです
総露出5時間弱ですが、モザイクおよび別撮りの赤フレームのためなので、実質は1.5時間程度となります。
二重星団とハート星雲 2014年10月18日 19:05-10月19日 2:20 二重星団側: ノーフィルター 5分x11枚 55分、Rフィルター 5分x13枚 65分 ハート星雲側: ノーフィルター 5分x13枚 65分、Rフィルター 5分x18枚 90分 モザイク処理 Pentax K-5IIs(非改造) ISO1600 smc Pentax A★200mmF2.8 絞りF4 Rフィルター Kenko R1Pro K-Astec GF50ポータブル赤道儀 PHD2オートガイド SI7、PSCC 里美牧場
色収差補正はある程度うまくいったのですが、長時間露光の別撮りデータを合成すると、カブリの補正がむずかしくなりますね…。いずれ冷却CCDでの撮影でも問題になるでしょうが、モザイク合成の難しさもあいまって、いまの技術ではこれが精一杯です
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里美牧場は行ってみたいところですが、遠いですね。
そろそろ赤道儀のバージョンアップの時期でしょうか?
どんどん進んでいきますね。となれば、どんどんdeepなskyを撮るんですね~。楽しみにしてまーす。
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たじさんいらっしゃいませ。コメントありがとうございます。
里美牧場よかったです。貸し切りでしたし…。ただ、風車の航空灯と、ひとりきりだと自動で起動する風車の不気味さが気になります
報告が天城高原と前後したのは釣った獲物が手に余ったせいでして…モザイク撮影は身の程知らずでした。さしずめカブリ補正地獄といったところで、本当はもう一回最初から処理しなおしたい気分です。
勉強にはなりましたが…。
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よく写っていますね。さすがK-5IIs!(笑)
改造カメラには赤の感度は劣るかもしれませんが、
自然な感じが悪くないですね。
フィルターとノーフィルターの合成は普通にやられたのですか?
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あ、ウラカンさん、いらっしゃいませ。コメントいただきありがとうございます。
赤色は地味な感じになってしまいましたが、赤以外の色とのバランスもあるし、これ以上強調すると馬脚が…。
合成ですが、倍率色収差の補正のためにRフィルター画像のサイズを縮小したのち、ノーフィルターのG、B画像とは一旦RGB合成で合成して白黒化したものをL画像のベースとし、これにR画像をブレンドしてL画像としてLRGB合成しました。まだいろいろ実験中です
色々とアラはありますが、自分で撮ってきたものを眺めるのは楽しいですね