マルカリアンチェーンとDrizzle法による解像度アップ
こないだ面ノ木に行ってトラブルにボコボコにされつつ撮って来た、M84、M86の近辺の画像です。
前々回の撮影のときに撮って来たM81、M82の付近の分子雲の写真があるんですが、まだ納得が出来なくていじくりつつ、ほかの場所に分子雲ないか? と思っていろいろと探してたところ、ある人に教わってここにはあるんじゃないか? と言われたのが、このマルカリアンチェーン付近でした。
ダストマップで確認すると確かにこんな風になっています。
ダストマップは赤外線でみた画像ですから、写真に写るかどうかは周囲に可視光で星雲を照らすものがないとダメだそうでs、ここに分子雲が写るかは撮ってみないとわからない。。作例がないのでまあ撮ってみるか、ということで撮って来たのでした。
しかし、トラブルで予定の露出時間は稼げず。。ちゃんと処理してみると、前回アップしたときにあったムラはやっぱりムラでした(爆笑
普通のマルカリアンチェーンの写真になりました
マルカリアンチェーン付近
2016年2月6日 23:52-2月7日 2:23
【L画像】 Borg67FL+マルチレデューサー0.7xDGT(7870) 合成f210mm F3.1 QHYCCD IC8300冷却CCD -20℃ 600sec x 8 枚コンポジット 露出時間80分
【RGB画像】 Borg 55FL+レデューサー0.8xDGQ55(7880) 合成f200mm F3.5 EOS Kiss X4 赤外改造 ISO1600 HEUIB-II FFフィルター 露出時間196min 120sec x 46 枚コンポジット 露出時間92分
合計露出時間172分相当 PixInsight+PSCC 面ノ木園地
AstroBin画像はこちら
ところで、今回もフォーサーズサイズの冷却CCDと210mmのレンズで撮影しているわけですが、ディザーをかけているのでDrizzle法が使えなくもない、ということで、ちょっと撮影枚数は少ないんですがDrizzle法で解像度アップを試みました。
結果、6652×4963ピクセルという画像が出来たんですが、これにDeconvolutionをかけると、ちっちゃな画像ですが、銀河の構造がみえてきます。
どアップして一部ご紹介。
系外銀河のコトはまったく分からないのですが、適当に目に付くヤツをアップしてみます(笑
まずは画像中心部。M84、M86とNGC4438が目に付く、もっとも賑やかなエリアです。
レンズ状銀河と呼ばれるM84やM86は明るいのですが単調に見えます。それに比べ、画面左側のThe Eyesと言われるNGC4438やNGC4435、上の方のひらぺったいNGC4402など、形が面白いですねぇ。
銀河が密集してて、しかもてんでに動いているので、それぞれの潮汐力によってひっぺがされてこんな形になるんですかね。なんだか、巨大銀河に蹴散らされて、ちっちゃいのが「あああああぁ。。」とか言っているように見えます
左側のM91は、メシエさんが座標を間違えて記載したため、どれがM91なのか分からなくなって、幻のメシエ天体だったそうですね。棒渦巻星雲を上から見た姿が、このちっちゃい写真でもよく分かります。右の渦巻銀河M88のキレイなうずまき形も確認できますね。
次は逆に右端。
左側のまっすぐ立ったような銀河はNGC4302、右側の渦巻銀河がM99です。
NGC4302はエッジオン銀河、じーっとみるとうっすら暗黒星雲が中央に走ってるのが。。みえます?
M99の方は逆にフェイスオン銀河、うずの中にモコモコとあるのは、散光星雲か、それとも明るい星でしょうかね。 長焦点で撮るとどんななんでしょう。
最後。ふたたび中央をぐぐーっと拡大します。
強拡大すると、見えてきました3つの銀河。特に左側のNGC4440はキレイなS字で惹かれますねぇ。
やばい、こんなことしてると長焦点が欲しくなって来る
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いやっ、楽しめるどころか、超ワクワクするじゃないですか!
何でそんなにいろんなこと知ってるのですか?dizなんとか?
楽しくなる技術をいろいろ知っててうらやましい。
銀河の楽しさを久しぶりに魅せられました。
久々に銀河に目覚めそうです。
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いいですね~!
詳細に銀河の表情が浮き上がってきてます。
ところで、Drizzleは冷却CCDだけで行える技術でしょうか!?
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すごい!」正しく銀河団って感じですね!たじさんが言うように知識量もすごいし。レンズ状銀河や棒状銀河には憧れます。こんな銀河団の写真を撮ってみたいなぁ。
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銀河団もykmさんが強拡大すると、こんなにディテールはっきりするんですね!
長焦点の対象にするには少し小さいですが、宇宙の広大さを表現するには銀河団良いですね^^
Drizzle法を調べたら思考が停止しました^^;
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たじさん、解像度を上げると意外に200mmとかでも楽しめますね。広視野でもこういう場所をひとつひとつ探訪すると、長焦点にはない楽しみ方だと思いました
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kola29さん、デジカメではBayer Drizzle法という、現像法と解像復元を両方やっちゃう手法が使えます。撮影枚数は15枚以上が良いとされていますね。今回のはチト少なすぎです。
撮影にはDitheringが必須です。Ditheringはノイズ低減効果もあるので、DrizzleやらなくてもDitheringはやっとけって感じですかね。
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やまぎりさん、長焦点を持たない者のこの時期の楽しみ方模索中ですってところですかね
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さすらいさん、Drizzle法は処理ツールさえあればやることは簡単です。ただどんな画像でも効果があるかと言うとそうではなくて、バッチリピントが来て星像がピクセルサイズ以下で丸くなくて四角い、光学系はもっと実力あるんだけどな、という時に威力を発揮するんだそうです。